調査コラム

企業サービスの調査コラム

創業者の初盆を前に

コラム 2022/08/07

8月6日 広島原爆投下
8月9日 長崎原爆投下
8月15日 終戦

今年は企業サービス創業者の初盆である。
8月前半は出張が続いているが、連日ホテルに帰ってきてつけるニュースでは戦争関連のニュースが続く。しかし今年は例年の終戦記念日を前にして話題となる靖国神社参拝問題だとか、歴史の風化などというだけではない、今まさに隣の国であるロシアがウクライナに侵攻を続けているという状況にある。核軍縮も推進するのが当たり前との立場から急に現実的な驚異が迫り、その議論はこれまで感じたことのない現実味を帯びてきている。

 ところで、企業サービス創業者である先代は自衛隊出身である。高校生の時に早くして父親を亡くしたため、学費を稼ぐために高校卒業後自衛隊へ入隊し、夜間大学へ通った。当時はお金がない学生、駅前で屯している若者に声をかけて自衛隊入隊を勧めるような側面もあったような時代で、自衛隊というだけで道を歩いていて石を投げられることもあったという。時は全共闘運動の最も盛んなりし1960年代後半。先代はその時期学生であったわけだが、大学構内のバリケードに立てこもる側ではなく、ジュラルミンの盾を持って鎮圧する側だったということになる。そのような経歴があってか、先代は生前、軍事を何も知らずして国家安全を説くのは片手落ちの議論であると言っていたような気もする。すべて今となっては曖昧な記憶である。

 出張合間の日曜日に、東京都新木場駅にある第五福竜丸展示館へ行ってきた。

 ウクライナ戦争で核保有についてのニュースが連日流れていたこともあるし、ホテルを出て特に行くべき場所がないということもある。1泊数千円のビジネスホテルというのは一日中そこにいる場所ではない。朝10時近くなると掃除が回ってくるし、部屋の中には翌日まで寝るだけの空間が最低限確保されいてるだけの場所なのだから太陽が高く登って目が覚めると、狭くてすることがないだけの場所になる。連日の猛暑日だったがマスクも完備して出かけた。駅から徒歩10分以内、遊歩道のような広い公園の間を抜けていくところに急な三角屋根の黒い建物があり、建物正面に「第五福竜丸展示館」と大きく掲示されていた。館内は無料。自分が入ったときには館内に数名の見学者がいるだけで皆、静かに展示物を見て回っていた。入り口に、修学旅行なのか、和歌山の小学校の名前が書かれた千羽鶴が何本も飾ってある。第五福竜丸が造船されたのが和歌山らしく、その縁があるのだろうか。


 日本で初めての水爆実験被害者となった第五福竜丸の乗組員二十数名の写真、上空から降り注いだという水爆実験による「死の灰」、静岡県焼津港に帰港日から以降めくられることの無かった船内の日めくりカレンダー。そして何より、第五福竜丸そのものが、すっぽりとその展示館の中に収まっている。入り口からはいった瞬間には気づかなった。眼の前の白っぽい壁だとおもったものを見上げたら、それがそっくりそのまま船一隻だった。
 被爆者の中で帰港して半年、40歳にして亡くなった久保山愛吉さんという方の葬儀の写真だろうか。それが当時の新聞記事とともに展示されていた。三人の小さな子どもが、自分の体ほどもある父の遺影を泣きながら抱いている。このような写真や、当時の実物の手紙、狭い船内などを目の前にすると活字やニュース、映像とは違う、圧倒的な現実が胸に迫る。1部屋だけの船をそのまま囲うようにつくった展示館だったが、そこから何年も続いた後遺症や、漁業の打撃の大きさなどがそこには残っていた。

※都立第五福竜丸展示館
●開館時間 9時30分~16時/月曜休館 ※月曜が祝日のときは開館し火曜休館
●入場無料
http://d5f.org/

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