調査・バックグラウンドチェックの”質”とはなにか。
弊社の仕事の半分以上は採用前の候補者の調査、所謂「バックグラウンドチェック」である。
こちらは、提出される公的書類(履歴書・職務経歴書)をもとに、その内容に詐称や問題がないかの確認をベースとするものである。こちらが全体の7割程度を占め、残り3割は企業調査、信用調査、特殊調査と様々である。
・取引先を調べてほしい、
・M&Aを予定している企業の風評、実態調査をしてほしい、
・問題社員の実態調査をしてほしい・・・
などその依頼は非常に多岐に渡る。
バックグラウンドチェックであれば2~3日、特殊調査であれば1ヶ月後、まとめ上げる調査報告書見直しながら常に考えるのが「調査の質」という問題。
調査の質とはなにか?
質が良い悪い、というのは依頼主(顧客)が判断するものと考えればそれは
・顧客の調査目的に応えること
であると考えられる。
ただしいつも顧客の思うような結果が出てくるとは限らない。もしそのような調査結果を出そうと思うなら、それは顧客におもねることに他ならず、場合によっては顧客の志向に合わせた想定結果を報告書に書きかねない。(例えば、この人は怪しいから調査してくれという顧客の依頼に対し、決定的な証拠はないが、素行が悪いや人徳がないなど怪しいという結果に近づけた感想を述べるなど・・・)それはやってはならないことである。
では調査結果の事実だけを並べればそれが調査報告書となるのか?
調査した結果(事実)をそのまま伝えることは、一つの大切な役割ではあるが、それだけでは顧客の満足には足らない場合が多い。往々にして依頼をしてくる顧客は、自分の考えが正しいのか疑い、他の情報がほしいと思うからである。第三者の声を聞きたくなり、他の誰かの評価や視点を加えることでよりよい判断材料としたいと考えている。調査を本業とする者として、重要であると思う情報や別の視点を提供することも大事な役割であると考える。
このコラムにも1年ほど前に書いたことがあるが「仕事に忠実であること」はそれを生業とする者としての”軸”であろう。
我々にとって調査という仕事に忠実であることとはイコール調査の仕事とはなにか?を追求することである。顧客におもねるのでもなく、単に無責任に行った調査内容だけを書き連ねるのでもない。追求を続けることにゴールはないが、あちらがゴールかもしれないとトンネルの先に光が見えることはあるのである。
創業45年人事調査会社
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